人口130万人の島国キプロスで、24時間のうちに3つの事件が重なった。ロシア人富豪が失踪し、大使館では外交官が「自殺」した上、汚職動画の流出で政界に激震が走った。外交官にはロシアと繋がっていた過去があり、プーチンの粛清説が囁かれる。親ロシアから西側に転じた島国への報復だと、複数の海外メディアが報じている――。
2026年2月3日にモスクワで経済問題に関する会議を主宰しているロシアのウラジーミル・プーチン大統領
写真=AFP/時事通信フォト
2026年2月3日にモスクワで経済問題に関する会議を主宰しているロシアのウラジーミル・プーチン大統領 ※この画像はロシアの国営通信社スプートニクが配信したものである。

地中海の島国で起きた「悪夢の24時間」

地中海に浮かぶ小国キプロスで1月7日、不穏な24時間が始まった。

同日、大手肥料メーカー・ウラルカリの元CEOウラジスラフ・バウムガートナー氏が、ロッククライミングに出かけたまま行方不明になった。翌8日には、首都ニコシアのロシア大使館で外交官アレクセイ・パノフ氏が死亡しているのが見つかっている。当局は自殺と発表。そして同じ8日、キプロス政界を揺るがす汚職スキャンダルが幕を開けた。

人口わずか130万人ほどの小さなキプロスで、たった24時間のうちに、富豪の失踪、外交官の死、政治スキャンダルという3つの不穏な出来事が立て続けに起きたことになる。いずれもロシア関連だ。

独立系ロシア語メディアのメデューザによると、その後の調査ではパノフ氏がロシアの情報機関に所属していたことも判明した。単なる外交官ではなく、スパイだった可能性が浮上。事態は一層謎めいてきた。

これら3つの事件が互いに関連しているかについて、ロシア当局は沈黙を貫いている。しかし、かつて「地中海のモスクワ」と呼ばれるほどロシアマネーが流れ込み、ロシア政界と深い関係を築いてきたこの島で、これだけの出来事がたまたま重なったとは考えにくい。