「了解。」が怖く見える理由

ところで、送り手にはそんなつもりがなくても、世代によっては思わぬ受け取り方をすることがあります。

たとえば、部下から「ご確認お願いします!」と、チャットで資料が送られてきた時、上司が「了解。」と返事をすると、「あれ? もしかして部長、怒ってるのかな」ととらえられる場合があると言うのです。

つまり、チャットやLINEなどのコミュニケーションアプリで、文末に句点「。」をつけると、若い世代が冷たい、威圧的、怖いといったネガティブな印象を受ける場合があるということです。

こうした現象を、「マルハラスメント」(略して「マルハラ」)と呼びますが、もちろん正式なハラスメントではありません。

上の世代からすれば、「そんなことでハラスメント呼ばわりされるなんて、なんとも恐ろしい時代になったものだ……」と不安になるかもしれません。でも、「今後、断じてマル『。』を使わないようにしよう」「そうだ、いっそのこと、ビジネスチャットなど使わなければいいのだ(やっぱり対面コミュニケーションが最高!)」と早合点するのは、ちょっと待ってください。

マルの有無より日頃の接し方

要は、LINEでマル「。」をつけない一言ずつのやり取りに慣れている若者の中には、マル「。」がついていると、関わりを断ち切られたような印象を持つ人がいるということなのです。

ふだんから、若手に対する上司のちょっとした気遣いや温かい言葉かけ、気軽な雑談などがあれば、そうした誤解は受けずに済むでしょう。文末にマル「。」があろうがなかろうが、日頃の人間関係が良好であれば、若手もあまり気にならないはずです。

また、部下の作業報告に対しては、忘れずにお礼を伝えることを心がけるとよいでしょう。たとえば、上司が部下から資料をもらったら、「ありがとう。確認しておくね!」などと返してみてはいかがでしょうか。

相手によって、情報の受け取り方は変わります。何かを伝える前に、自分のメッセージが子どもや外国人、職場の若者に「どう受け取られるか」を、ほんの少し意識するとよいでしょう。

コミュニケーションにおいて、「相手の目線」に合わせる配慮は、とても大切です。まとめると、次のような誤解予防策が考えられます。

・相手の語彙力や知識に配慮して言葉を選ぶ
・メッセージのとらえ方に世代差があることを心に留めておく
・ふだんから温かい言葉や態度で相手に接する