行政が無料で「便利屋さん」を派遣してくれる
私のお気に入りのひとつは、“自治体の便利屋さん”を派遣する制度です。カーテンを吊るしたり、電球を交換したりといった作業を代行してくれるサービスで、高齢者の転倒リスクを低減することを目的としています。転倒のリスクが高いと判断された場合、脚立を出して電球を替えたり、雨どいを掃除したりする作業を、電話一本で誰かが来てやってくれます。しかも、完全に無料です。
こうした追加サービスを受けるには、申請して審査を受けなければなりませんが、必要度が高ければ24時間体制で2時間ごとにケアスタッフが訪問してくれることもあります(これもすべて無料です)。支援サービスを受けている人は、年に一度、サービスの満足度を評価するアンケートに回答しますが、その結果は公開されるため、すべての機関が質の高いケアを提供しようと努力しています。
公的職員に「認知症に関するプログラム」が行われている
スウェーデンではまた、警察官やその他の公的機関の職員に対して、認知症に関する研修プログラムも実施されています。家族が困難に直面したとき、支援の一助となれるようにするためです。スウェーデンでは認知症への理解が進んでおり、すべてのプライマリケア医(病気やけがを最初に診察し、継続的なケアを提供する医師)は、65歳以上の患者に対して毎回、記憶について尋ねることが義務づけられています。
認知症に対する偏見がないのも、スウェーデンの透明性を重んじる文化が影響しているのかもしれません。スウェーデン王妃もこの取り組みの支援者ですが、その背景にはご両親が認知症を患っていたことがあります。アルツハイマー型認知症やその他の認知症を予防するための情報が頻繁に報道され、メディアも前向きな論調で取りあげるため、人々もその情報を進んで受け入れようとします。

