「雑音」に惑わされないでほしい
首都圏の中学受験では、埼玉や千葉ですでに試験が行われ、2月に入ればいよいよ東京・神奈川の中学校でも入試が始まります。東京の私立中も受ける予定で……と緊張が続いているご家庭も多いでしょう。
SNSには根拠不明な情報が飛び交います。学校や塾にいけば○組の△△さん・□□くんが受かったらしいといった話も耳に入っているかもしれません。塾業界がその年の受験傾向を「思考力重視」とか「安全志向」と分析している情報を見ることもあるでしょう。
しかし、約30年にわたり現場で生徒たちを見送ってきた私からすれば、そんな雑音に惑わされる必要は一切ありません。入試の仕組みがどう変わろうと、合格する子の本質は不変だからです。
実は、入試当日の朝のようすで、私はその子の合否が見えてしまいます。昨今はコロナ禍以降の自粛や学校側からのお願いもあり、私たち塾の関係者が当日の校門前で応援する機会はほとんど無くなってしまいました。ただ、長年見てきた経験を基にすると、合格率が高い子は校門前である特徴を見せます。
「寝ぐせ」は受かるサイン
私は寝ぐせの子を見ると「この子は受かりそうだ」と感じます。一見すると、身だしなみが整っておらず、だらしなく見えるかもしれません。しかし、私がこれまで校門前で数多くの受験生を見送ってきた過去を振り返っても、そのカンは実際に当たることが多く、紛れもない「合格のサイン」と言えます。
理由は明確です。第一に、本人が周囲の目を気にせず、目の前の試験に完全に没頭できている証拠と言えるからです。髪型を整える時間や鏡を見る余裕さえ惜しい……というよりは、自分の姿が気にならないほど、意識が「試験に向いている」状態だと言えます。
この「没頭」こそが、極限のプレッシャーがかかる本番で実力を出し切るために不可欠な要素となります。入試会場に平常心で向かえる子は、やっぱり強いのです。
第二に、この寝ぐせは「親のメンタル」を映しているのではないか、とも見ています。もし親が過度な不安を感じていれば、子供の寝ぐせを「みっともない」と指摘し、当日の受験生のテンションを削いでしまうかもしれません。
一方で、寝ぐせを笑って流せる余裕がある家庭では、親の不安が子供に伝染していません。私は「親の不安は子供の不安」だと確信しています。寝ぐせのまま臨める子供のタフさと、それを支える親の動じない安心感。この両輪が揃っている子は、当日のメンタル勝負で圧倒的な優位に立ちます(もちろん、寝ぐせにすれば受かるということではありません)。

