▼田中和彦さんのメソッド
「緊急ではないが重要な仕事の時間」を確保するためにやっていたのは、“自分へのアポ”です。4誌の編集長を兼務していたころは、気がつくと部下に次々と予定を入れられ、企画を練ったり、戦略を立案する時間をなかなか確保できませんでした。そこで人とのアポと同じ要領で、自分1人になれる時間をスケジュールに組み込んでしまうことを思いつきました。必要時間は人それぞれですが、私は1週間に5時間を確保。自分へのアポだと気づかれると何かと邪魔が入るので、予定表に「打ち合わせ」と書き、実際に会議室を予約して、1人で思索の時間にあてていました。
自分へのアポを確定させたら、それ以外のところに人とのアポを入れていきます。このとき心がけているのは、「外出日」と「社内日」の設定です。外で人と会う日には、なるべく他のアポもその日に固める。社内で会議などがある日は、デスクワーク中心で予定を組む。そうやって種類の同じ仕事を同じ日に集中させることで効率を高めていきます。
週末の予定も、工夫の余地があるはずです。私は土日を午前、午後、夜の計6コマに分けて予定を組んでいます。特に大切なのは土曜の午前。この時間に集中して家の用事を済ませると、残り5コマを有効に使えます。どんなに忙しくても週1回は映画を観るという習慣を続けているのですが、それも土日のコマ割りのおかげだと思っています。
田中和彦(プラネットファイブ代表取締役)
1958年生まれ。一橋大学卒業後、リクルートに入社。人事課長、広報室課長、転職情報誌4誌の編集長を歴任。映画プロデューサー、キネマ旬報社代表取締役を経て、現在は人材コンサルタント、映画、出版のコンテンツプロデューサー。
1958年生まれ。一橋大学卒業後、リクルートに入社。人事課長、広報室課長、転職情報誌4誌の編集長を歴任。映画プロデューサー、キネマ旬報社代表取締役を経て、現在は人材コンサルタント、映画、出版のコンテンツプロデューサー。
(村上 敬=構成 澁谷高晴、的野路弘=撮影)