収入に関係なく、9割の人がスケジュール管理のために手帳を使っている。しかし、「前倒し進行」「午前中の使い方」「TODOリスト」などその中身は年収によって大きく差があるのが現状だ。“そこそこ”で終わる人と、大活躍できる人の分岐点を徹底分析する。
【調査概要】gooリサーチと共同でインターネットを通じて調査を行い、個人年収が400万円台と同1200万円以上のビジネスマン各420人より回答を得た。調査期間は2011年8月23~24日。

9割の人はもったいない使い方をしている

幕末、江戸幕府の遣欧使節団の一員としてヨーロッパに渡った福沢諭吉は、パリの文具店で手帳を購入すると、滞在中に見聞きしたことをこれに逐一書き留めました。これが、日本人によって手帳が使われた最初の記録だといわれています。

それから150年経った平成の世では、持っていない人を探すほうが難しいくらい、手帳は日本国民の間に普及しました。とくに多忙を極める現代のビジネスパーソンにとって手帳は、必須アイテムだといってもいいでしょう。

実際、手帳というのは上手に使えば、仕事の効率を高め、生産性を上げることに役立つのは間違いありません。それどころか成長を加速し、人生を豊かにする効果まで、手帳にはあるのです。

しかし、私が見るかぎり、手帳本来の機能を十二分に活用しているのはごくわずか。ほとんどの人は非常にもったいない使い方をしていることに、気づいてすらいないというのが現実です。

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図1 ほとんどが、スケジュール管理とメモのために使っている

今回は年収1200万円以上の人、同400万円台の人各420人を対象に行ったアンケートの結果から、年収と手帳の使い方にどんな相関関係があるか探っていこうと思います。

まずは手帳を使う目的。「スケジュール管理のため」が年収1200万円以上では88.9%、同400万円台が82.8%。次が「メモをとるため」で年収1200万円以上62.5%、同400万円台68.3%(図1)。年収にかかわらず、手帳はスケジュール管理とメモのためのものと思っている人が圧倒的に多いということです。

私も証券会社で営業をしていたころは、手帳なんて予定が確認できて、忘れたら困ることが書き込めればいいくらいの意識しかありませんでした。