ドイツでは関係機関の対応も早く2025年1月には「メカニズムが年齢に不適切」としてロブロックスの年齢制限が12歳から16歳に引き上げられている。

こうした諸外国の動向とは真逆に、日本では、ロブロックスが更なる拡大を期待されるビジネスとして注目を集め、子供への推奨と参入が盛んになっている。

教育産業ではプログラミング教育の最適な教材としてロブロックスを利用した教室も増加。企業では、講談社は『進撃の巨人』のワールドを展開し、ホンダやバンダイナムコといった大手も公式空間を開設した。日本経済新聞社は12月、ロブロックス内に「支局」を解説、記者がアバターになって取材するという新事業を展開している。また、大阪府など観光PR目的でロブロックスを利用する事例も出てきている。

こうした中で利用者数も年々拡大している。2024年末のデータでは、世界中で毎日8500万人以上がログインしている。そのうち3分の1近くが、13歳未満の子供だ。日本でも過去1年で利用者が急増し、小学生のおよそ3%が遊んでいるとされる。

こうなっている理由が日本では『マインクラフト』や『あつまれどうぶつの森』のようなゲーム程度にしか理解されていないことだ。しかし、実際にログインしてみると、その認識が間違いだったことはすぐにわかる。

ロブロックスは単なる「ゲーム」ではない

ロブロックスは、ただのゲームではない。

FacebookのようなSNS機能、YouTubeのような投稿・拡散の仕組み、さらにゲーム内通貨を使った経済活動までが、ひとつのサービスの中にまとめて詰め込まれている。無料で遊べる無数のゲームが並び、その横で子ども同士がつながり、評価し合い、仮想のお金を使って売買までできる。

言い換えれば「ゲームの形をした総合サイト」だ。

そして、このサイトは子供を依存させるように設計されている。

「TechCrunch Disrupt SF 2018」で講演するRoblox Corporation創業者兼CEOデイビッド・バズーキ
「TechCrunch Disrupt SF 2018」で講演するRoblox Corporation創業者兼CEOデイビッド・バズーキ(写真=TechCrunch/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons

政府がロブロックスへのアクセスを遮断したトルコでは、国営放送TRTが、その依存の深刻さを報じている。2024年8月、トルコでは政府が裁判所命令に基づき遮断を実施した。しかし、その後も、それでも子供たちはロブロックスの話をやめないし、VPNを使ったアクセスが横行しているという。

報道では「人類の歴史上、これほど多くの子供が同時に交流し、遊び、チャットし、取引する場所は存在しなかった」とし、それは同時に歴史上これまで存在しなかった形の子供にとって危険な場所であるともしている。

ロブロックスへの依存は家庭や学校への教育でどうにかなるものではない。なぜなら、サイトの設計そのものが、どうやって子供を依存させるかを目的に設計されているからだ。

子どもを依存させるように設計された仕組み

この点で、ロブロックスは従来のゲームと大きく異なる。

親世代が知っているゲームは、クリアすれば終わりという区切りがあった。しかし、ロブロックスにそんなものはない。無限にゲームが追加され、友達とのチャットが24時間途切れない。友達がログインしている限り、自分だけ抜けることができなくなっていく。