景気回復を急ぎたい中国政府は、借金をしてまで消費を増やすよう国民に求めている。昨年までの3年間で、焦げ付いた融資の件数はほぼ2倍に急増。出前アプリが「食事代を借りますか?」と聞いてくるほど借金は国民生活に浸透し、人々は返済に苦しんでいると、海外メディアは報じている――。
2025年10月31日、習近平国家主席が、韓国南東部の慶州市にある慶州華北国際会議場で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の第1セッションに出席
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2025年10月31日、習近平国家主席が、韓国南東部の慶州市にある慶州華北国際会議場で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の第1セッションに出席

「日本叩き」の裏で進む経済苦

台湾をめぐる11月の国会答弁に端を発し、中国の日本叩きが止まらない。

反発の背景に、台湾問題は中国の譲れない国益と位置づけている中国共産党の事情がある。加えて党として、不況で高まる中国国民の不満を日本へ逸らしたいとの思惑がある可能性があると指摘されている。この指摘を裏付けるかのように、借金生活に転落する中国国民の事例が相次いで報じられている。

ニューヨーク・タイムズ紙は今年8月、中国政府が国民に対し、もっと消費し、もっと借金をするよう求めていると報道。4年間続く景気低迷からの脱却を図るためだという。中国の金融規制当局は今年3月、銀行に対し、消費者の融資を拡大し、より柔軟な返済条件を提示するよう指示した。

この政策は市民の首を絞める可能性がある。同紙によると、2021年から2024年にかけて中国の家計貯蓄総額は50%増加した一方、返済不能となった借入件数はほぼ2倍に膨れ上がった。貯蓄できる層と借金に溺れる層の二極化が急速に進んでいる。同紙は中国の慣用句を引き、政府の施策は「渇きを癒すために毒を飲む」行為だと断じる。一時的に景気を刺激するかもしれないが、国民を借金漬けにする危険性をはらむ。

「終わることのない借金のループ」

実際、借金生活に陥る若者が相次いでおり、その実態は悲惨だ。

上海に住む27歳のテック企業勤務の男性は、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じた。ネットの消費者金融アプリで借りた金を、別のアプリへの返済に充てることが多いという。「終わりのないループに囚われている」と語り、不安に押しつぶされそうだと胸中を明かしている。