徹底的に「捨てた」先には、厳選した愛用品との暮らしがある。狭い部屋でも快適に過ごす夫婦の収納術と、モノへのこだわりを聞いた。

収納の「枠」を先に決めて入りきらないモノは捨てる

極限までモノを捨て、部屋には何もない。ミニマリストに、そんなイメージをお持ちではないか。しかし、本来のミニマリストは、本当に必要なモノだけを選び、身軽に生きる人のことだ。

ライターの大木奈ハル子さんは、現在、ワンルームに夫婦2人で暮らしている。ミニマリストとして紹介されることもある大木奈さんだが、部屋の中にはわりとモノがある。

「10年前に結婚して、最初に住んだ家は85m2のマンションでした。夫が長年住んでいた物件だったので、モノで溢れていました。そこから考えると、今の部屋には当時の10分の1以下くらいしかモノがありません」

結婚後、4回の引っ越しを経て今に至るが、引っ越すたびにモノを減らし、一方で快適な収納の技を磨いた。

「最初の引っ越しで85m2から50m2に移った時に9割のモノは捨てました。以降30m2、29m2と、だんだん狭くなり、現在は25m2のワンルームです」

壁の一面にはスチールラックがぴったり収まっている。これがミソだ。

「部屋のサイズをきっちり測って、寸分の狂いなくはめ込んでいます。棚の高さは物入れに使っている缶箱のサイズに合わせています。下着やハンカチなど、入れる場所を決めて、そこに入りきらなかったモノは捨てました」

壁一面の収納からはみ出た分は捨てると決めている。夫婦揃って、もともとはモノが多かったという。
壁一面の収納からはみ出た分は捨てると決めている。夫婦揃って、もともとはモノが多かったという。

初めに収納スペースを決め、それに合わせてモノの量を調整しているわけだ。このほかにも、彼女の中には「明確な自分なりの基準」がある。

「音楽や漫画が大好きなので、かなりコレクションしていたのですが、CDはサブスクで聴けない音源だけに、漫画は絶版になったりして手に入りにくくなったものだけに絞り込んでいます」

また紙焼きの写真はすべてスキャンし、データ保存している。「パソコンで一覧できるので便利ですね」とのこと。

(文・撮影=末並俊司)