町人と政治を同時に描く難しさ
第5位は、歴史ドラマに不可欠である一方、両刃の剣にもなった側面を挙げておく。蔦重を中心とする町人の世界と、徳川家や幕閣を中心とする政治の世界がパラレルで描かれた点である。それによって時代の全容が、両者がからみ合って時代を動かすダイナミズムとともに立体的に描かれ、筆者にはおもしろかった。一方、両者の関係がつかみにくいという声もよく聞こえた。
ただ、それは脚本やドラマのつくり方の問題ではない。蔦重および吉原の連中やアーティストたちは、基本的には政界との直接のつながりはない。だが、彼らは政治の決定に否応なく翻弄される。
だから、政治の世界を描く必要があるのだが、それを蔦重が中心の世界に違和感なく絡めてドラマを進行させるのは難しい。町人を主人公にした大河ドラマで政治を見せることの難しさが浮き彫りになった、といえる。
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