気づかずに捨てている「栄養満点」の野菜の部分
調理のとき、無意識に切り落としてしまっている野菜の一部が、じつは最も抗糖化作用に優れている……そんなことがよくあります。
たとえば、セロリ。独特の香りとシャキシャキとした食感が魅力の野菜ですが、葉の部分は捨ててしまうという人も少なくないでしょう。ところがセロリは、茎以上に葉の部分こそが抗糖化作用が高いことが、私たちの研究でわかりました。
ですからセロリは、葉が多くついているものを買ってきて、残さず食べることが老化予防に役立ちます。セロリの葉は香味野菜としても優れていますから、炒め物に加えたり、肉や魚のソテーに添えたりすると、料理がとてもおいしくなります。また、味噌汁やコンソメスープの具にするのもおすすめです。
同じようなことがナスにも当てはまります。ナスも、抗糖化作用の高い野菜です。その働きは色の濃い皮の部分にあります。米ナスで調査したところ、皮をむいた米ナスより、皮のある米ナスのほうが、抗糖化作用ははるかに優れていました。
キャベツ・レタスの外葉を捨てるのはもったいない
まだまだ他にもあります。大根の葉やブロッコリーの茎など、普段なら捨ててしまいがちな部位に、多くのポリフェノールが含まれています。
これはなぜでしょうか。ポリフェノールが葉や皮など、外側の部分に多く含まれているのは、その色素が紫外線から身を守る防御成分だからです。また、苦味や渋味、香りによって、病原菌や虫から自己防衛しているのです。
つまり、ポリフェノールは植物にとって、紫外線や害虫から身を守るための「天然の防具」。だからこそ、私たちが捨ててしまいがちな外側の葉や皮に、ポリフェノールが多く詰まっているのです。
よく、キャベツやレタスの外葉を豪快に捨ててしまう人がいます。
しかし、緑の最も濃い外葉にこそ、ポリフェノールが豊富。ここを捨ててしまうのは、老化予防の観点から非常にもったいないことです。
食料資源のSDGsからも農産物は有効利用したいところ。「捨てる」という選択をする前に、「老化予防に活かす」ことを考えてみてください。


