マクラーレンやポルシェが当たる宝くじ売り場も

世界の空港を旅すると、その国の「お国柄」が随所に反映されていることに気づく。

さらに今、各空港は単なる移動の拠点から、積極的に楽しむべき「体験施設」へと進化を遂げている。

まず、2024年に「世界で最も豪華な空港」(英国の旅行保険会社AllClearによる調査)のトップに選ばれたドバイ空港。提供する高級店の数、シャンパン・バーやキャビア・ハウスの存在、高級ラウンジの提供、空港から半径5km以内の4つ星・5つ星ホテルの有無など、いくつかの要素で評価された。

また、世界最大級のファーストクラスラウンジなどの高級ラウンジがあり、待ち時間でくつろぐならワールド・オブ・ウェルネスやタイムレス・スパでのホリスティック・スパトリートメントは最適だ。

さらに驚くべきは、マクラーレンやポルシェなど高級車が当たる宝くじが販売されていることだ。当選確率は、日本の宝くじと比べて格段に高く、トランジットの短い時間でも、思わず夢を買ってしまう旅行者は少なくない。

ビール、美術館、スロット…“お国柄”がふんだんに

次にご紹介するのは、ミュンヘン空港。世界の航空・空港の格付け調査を行うスカイトラックス社の「ワールド・エアポート・アワード」でトップ10の常連であり、ヨーロッパで3つしかない5つ星ハブ空港(他はイスタンブールとローマ)のひとつである同空港は、効率性を追求した空港であり、高いサービス水準と旅客に優しい革新的な設備が、世界トップクラスの地位に貢献している。

その空港内には「エアブロイ」というビール醸造所兼レストランがあり、ミュンヘンらしさを存分に演出している。空港に到着したらまず一杯――これが旅の楽しみのひとつになっているのだ。

また、トルコのイスタンブール空港では、乗り継ぎの待ち時間の長いトラベラーは、一度入国をして、ブルーモスクやトプカプ宮殿などの観光、トルコ式バスや地元レストランの体験など世界最古の都市のひとつを訪れる体験ができる。東洋から西洋への長距離移動の際に、途中でこの別世界の体験を挟むトランジットタイムは、旅に新たなコントラストを演出すること間違いなしだ。

その他にも、アムステルダム・スキポール空港には、定期的に入れ替わる名画を鑑賞できるアムステルダム国立美術館の分館があり、バンクーバー空港は、敷地内に2つも水族館がある。ラスベガスのマッカラン空港(ハリー・リード空港)には驚きのスロットマシーンがあり、ヘルシンキ・ヴァンター空港には世界初の空港内の古着屋「リラブ(Relove)」がオープンし、センスのよい古着を購入できる。

2018年1月3日、ラスベガス、マッカラン国際空港のスロットマシン
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