これからは“スキマ時間”で贅沢する時代に

世界の航空各社が加盟する国際航空運送協会(IATA)の発表によると、2026年の世界全体の旅客数は前年比4.4%増の52億200万人に上り、初めて50億人の大台を突破する見通しだ。売上高も1兆530億ドル(約163兆円)を上回る。国際情勢の不安が続く中でも航空需要は依然として活況だ。

このチャンスを捉え、「エキシューマー」の発想を取り入れれば、空港・トランジットの消費マーケットは拡大のポテンシャルを秘めている。空港というハコが、新たな商業施設へと発展する大きなチャンスに恵まれているのだ。

かつての「待ち時間」は、今や価値ある「体験時間」へと生まれ変わった。国際航空需要の回復と拡大という追い風を受け、空港は新たな商業発展の可能性に満ちている。

年末年始をはじめとする繁忙期には、膨大な数の旅行者が空港を利用する。彼らは皆、特別な気分で、特別な時間を過ごそうとしている。この心理状態にある消費者に対し、どのような体験を提供できるか。それが、空港ビジネスの成否を分ける鍵となる。

空港で過ごす時間が、旅の最も印象的な思い出のひとつになる。そんな未来は、もうすぐそこまで来ている。“Transit Time is Money”――この言葉が示すように、待ち時間という概念そのものが、今、劇的に変わろうとしているのだ。

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