1タイプ目の【思い込み群】については、例えば、「どうせアイツはたいしたことがないヤツだから」と、相手に対して否定的な固定観念を持って話を聞いてしまうため、大切なポイントを聞き逃し、後で自分が損をします。

逆に「こんな立派な肩書の人の話だから、さぞかし中身がある内容だろう」と思って聴いても、実際には自分は何も得るものがなく、相手に利用されるだけで終わってしまう場合もあります。

固定観念は、相手への「思い込み」を引き起こす最大の原因なのです。

2タイプ目の【不注意群】は、例えば、前日の寝不足や疲労などで、ぼんやりしている人。もともと一つのことに集中できない人もこのタイプです。いわゆる「多動症」のようにいつもあちこちに気が散っている人、このような人が【不注意群】になります。人の「言葉」は聞こえても、「真意」に気づかないタイプです。

3タイプ目の【思考力不足群】の人々を示すには、あの皮肉屋の哲学者、サルトルの言葉が的確でしょう。

「授業中、一生懸命聞いているように見える学生は、必ずしも内容を理解していない。なぜならば、彼らのエネルギーは『聞いている』というポーズをつくることに集中されてしまうからである」

これをビジネスシーンに置き換えるならば、「会議では一生懸命聴いているけれど、頭の中では情報が整理できず、内容がさっぱり入ってこない」。

彼らは自分の中に情報の土台や知的思考の習慣がないために、人の話はすべて難しく聞こえ、「はい、はい」と返事はするのですが、内容を深く理解していません。

4タイプ目の【不問群】については、「この話は何かおかしいぞ」と気づくのですが、それに対して質問ができません。その理由としては、「シャイである」「タイミングが掴めない」「要点がまとまらない」のです。

人前で質問するのが恥ずかしいと感じて躊ためら躇ったまま、なかなか質問ができなかったり、また、タイミングが掴めない理由として質問の要点がまとまらないことや、英語の会議などでは語学力不足に起因することもあります。

こうして質問しようかどうかと迷っているうちに、他の人に先を越されて格好よく質問されてしまう。これが【不問群】の人たちです。

日本人の場合は特に、「質問するのは、相手を非難していると取られるのではないか?」という恐れもあるため、質問すること自体が苦手です。そのため、「ここだけ1点、質問です」と前置きを言ってから質問を始めると、だいぶ気が楽になります。