ビジネスシーンで好印象を与えるにはどうすればいいか。政治・教育ジャーナリストの清水克彦さんは「名刺交換をする際、『よろしくお願いします』だけでは相手の印象に残らない。一流の人は、時間を割いて会ってくれたことへの感謝をストレートに伝える」という――。
※本稿は、清水克彦『その言語化は一流、二流、それとも三流? 頭のいい“この一言”』(青春文庫)の一部を再編集したものです。
相手の気分を良くするシンプルな方法
マスメディアの世界に限らず、日頃、取材で接することが多い政治家や秘書、中央省庁の官僚や企業の部課長以上の人たちの中には、「こんにちは」といった声がけに無反応な人たちが何と多いことか、と常日頃から感じてきました。
あいさつは、言うまでもなく、コミュニケーションの入口です。「あなたと親しく会話をしたい」というサインでもあります。場面に応じて気持ちのいい声がけをし合いたいものです。
例を挙げてみましょう。
A「どうも」
B「いいお天気ですね」
C「鈴木さん、とてもいいお天気ですね」
B「いいお天気ですね」
C「鈴木さん、とてもいいお天気ですね」
A(三流)、B(二流)、そしてC(一流)を比べてみていかがでしょうか。
Aはあまりにもぶっきらぼうです。
Bの天気に関する話題は、コミュニケーションの入口としてはもっとも無難です。「おはようございます」や「こんにちは」の後に組み合わせて使いたいフレーズです。
そしてCは、名前を加えたことで、相手は、「私の名前を覚えていてくれたのか」「わざわざ私に声をかけてくれたのか」といった気持ちになります。
「とても」という副詞、強い言葉をプラスしたことで、相手は「確かに気持ちがいいお天気」とあらためて認識します。また、あなたとの会話も「気持ちがいい」ものとして受け止めてくれるようになります。

