総務省は家計調査で毎月の牛肉、豚肉など各品目の購入金額と購入数量を発表している。鈴木さんはこのデータをもとに、「豚肉の購入数量」を「牛肉の購入数量」で割った月ごとの数値の経年変化を記録している。これは「贅沢嗜好が強い時は牛肉の家計消費が増え、節約志向が強い時は豚肉の家計消費が増える、という消費者心理の仮定に基づくデータ」だ。つまり、贅沢な牛肉を買うか、価格が手頃な豚肉や鶏肉を選ぶかは、その時々の消費者心理を映す、というわけだ。

鈴木さんが作成した、この「豚肉と牛肉の購入数量の相対比較データ」によると、22年以降、牛肉に対する豚肉の相対的な購入数量が急増している。これは見事に消費者物価指数の上昇と連動している。鈴木さんは言う。