結婚当初はうまくいっていた
しかし、多くの研究者が最初の結婚をわずかな文字数で済ませているのと違い、長谷川は最初の結婚にも多くの文字を割いている。長谷川によれば、親同士の見合いとはいえ、この結婚生活は当初はうまくいっていたようだ。お互い貧乏士族ではあるが夫の為二は教養もあった男のようで、彼に勧められてセツは近松門左衛門の浄瑠璃物を愛読するようになった。
また、当時巷で流行していた六弦の月琴(中国の伝統楽器)も二人でたしなむようになった。とりわけ、物語好きという部分は二人の関係を強めていたようだ。小泉八雲の怪談の一篇「鳥取のふとんの話」は、為二がセツに語ったものだと、八雲の曾孫の凡が講演で語っている。(2024年8月12日付「山陰中央新報デジタル」)
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