コンプレックスを指摘されたら、どう対応するといいか。明治大学文学部教授の齋藤孝さんは「コンプレックスというのは、どうにでもいいかえられる。たとえばぼくは足が短いけれど、『足が短いほうが相撲は強い』と思っているので、もし『足短いね』とからかわれたとしても平気だ。『そうそう、足は短く仕上げてるんだよ』と、冗談っぽく流せばいい」という――。
※本稿は、齋藤孝『上機嫌の魔法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
ふしぎと気持ちが通じ合う友だちの種類
中高生に限らないかもしれませんが、たとえば友だちの心ない言葉に傷つけられたり、逆に自分が不用意な発言をして友だちを傷つけたり。あるいは自分が不機嫌になって、つい友だちに八つ当たりしてしまったり……。そんなことがあると落ち込みますよね。
いつも上機嫌でつき合いたいのに、なかなかうまくいかないと悩んでいる人は少なくないでしょう。ぼくは、友だちといい感情でつき合えるかどうかは、お互いの関係性やパターンも影響しているように思います。
仲のいい友だちとは、「相性がいい」、つまり互いに共感する部分が多いと感じるものです。ふしぎと気持ちが通じ合う、という感じがあると思います。
それはなぜなのか。ひと言でいえば、
「価値観や考え方が似ている」
ということでしょう。
たとえば、性格が似ているとか、住んでいる場所が近いとか、ほかには家庭環境が似ているとか、学校の成績が似たり寄ったり、とかいったことは、仲よくなるきっかけの一つにはなります。
しかし、相性というのは、「これが好き」「これはリスペクト(尊敬)できる」「これをしていると楽しい」「これに興味がある」「これは嫌い」「これはどうでもいい」などの「これ」が一致していることのほうが重要になってきます。

