秋篠宮家の長男、悠仁さまは今年、4月に筑波大学に入学され、9月には成年式を終えられた。武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「天皇や皇室は、国民には親しみやすさと同時に、畏怖の念を持ってもらわなければならないのだが、悠仁さまにはそれが希薄だ。ご自身がこれまでいかに重圧や困難を克服されてきたのかを、積極的に強調されてもいいのではないか」という――。
筑波大学筑波キャンパス
筑波大学筑波キャンパス(写真=Kanrika/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

成年式で見えた悠仁さまの緊張

悠仁さまが筑波大学にご入学されたあたりから、悠仁さまの近況を、メディアを通じてよく目にするようになった。私たちがよく知るファミリーレストランや牛丼チェーンに、ご学友と訪れられているようだ。高校時代にはあまり報道されてこなかった、こうした「普通」の大学生の生活は、非常に微笑ましい。東京からちょっと離れた筑波大学に進学されたのは、正解だったのではないか。

もしも都内の大学に進学されていたら、目撃情報も多くなり、自由は少なくなるだろう。また、母校を悪く言いたくはないが、東大の学生たちのなかでそういった「普通」の生活を送るのは、難しかったのではないかとも思う。入学をめぐって賛否両論の議論が起こったこともあり、いまのような“大学生らしい”生活は望めなかったのではないか。

もっとも、まさか電車に乗って、通学されることがあるとまでは想像がつかなかった。悠仁さまは、できるだけ「普通」の生活を体験されたいのだろう。これまでは難しかった、そして今後もいつかは難しくなるであろう生活を、ぜひ堪能していただきたい。悠仁さまの明るい笑顔が報道されて、国民に親しみをもってもらう機会が増えたことも、実によいことだと思う。

こうした悠仁さまの日常生活が報道される一方で、成年式の報道を見ると、不敬を恐れずに言えば、少々お気の毒であった。あまりに緊張されていらっしゃったからである。カメラワークは、「悠仁さまの緊張をいかに覆い隠すか」という点からも工夫されているようにも見えた。