ラブブ自体の魅力と時代性との合致

こうしたプロモーションや販売方式の巧みさ以上に、やはりラブブそのものの魅力と時代性の合致が人気の根源的な理由だといえる。ラブブは大きな目を見開き、なのにやぶにらみ。口は耳から耳どころか、目から目まで届き、尖った9本の歯を見せている。そのニッカリ笑った表情は「Ugly-Cute」(ブサかわいい)と呼ばれている。

ラブブの販売は2019年に始まったが、世界的なブームに火が着いたのは2024年にブラックピンクのリサがラブブをバッグに付けたセルフィーをインスタグラムにポストし始めてからだ。ただし、ベースである中国では一足先にコロナ禍が落ち着いた2022年から人気が広まっていた。

つまり、ヒットの背景にはコロナ禍を経た若者たちの「カワイイだけでは、もうしっくりこない」というメンタリティがあるのではないか。もっとも活動的であるべき子供~10代の時期に1年から1年半近くもリモートスタディを強いられ、自宅でひたすらネットに没頭せざるを得なかった世代の、どこか満たされない、何かが欠けているように感じる心情だ。