日本マクドナルド(東京都新宿区)のハッピーセット「ポケモン」キャンペーンが波紋を広げている。コラムニストの木村隆志さんは「今年5月に行われた『ちいかわ』とのコラボ時の反省がまったく生かされていない。これにはマクドナルドの企業体質が大きく関係している」という――。
都内のマクドナルドの店舗
写真=iStock.com/tupungato
※写真はイメージです

マクドナルドの謝罪がさらなる批判を浴びるワケ

8月11日、日本マクドナルドがハッピーセットのポケモンカードキャンペーンで、転売目的の大量購入、店内の混乱、食品の放置・廃棄が発生したことなどをホームページ上で謝罪。

「お客様」「クルーの皆様」「テナント入居先のオーナーの皆様」に詫びた上で、これらの行為を「容認しません」と断言し、再発防止の取り組みを明かした。

しかし、この謝罪文が報じられてもマクドナルドに対する不満の声は収まらず、むしろさらなる怒りにつながった感すらある。いったいマクドナルドはどんなことで怒りを買い、誰をどのように傷つけたのか。そして、どんな対応が問われているのか。

なぜ謝罪文が受け入れられなかったのか……というより、これで理解を得られると思っているから、このような事態を招いてしまったのではないか。そう思われても仕方がないほど、「変えなければ」という決意が感じられず、具体性に欠ける文章が並んでいた。

対策について書かれていたのは、「購入数のより厳格な制限について」「フリマアプリ運営事業者様との継続的な協議について」の2項目。

マクドナルドが今回設定した「1人5セットまでの購入」は誰が見ても違和感があり、今年5月に、ちいかわで批判を受けた反省がまったく生かされなかった。

マクドナルドの対応は基本的に「ご遠慮いただきますよう」という性善説に基づく消極的なものであり、いわば客任せ。個人や回数の制限はせず、転売ヤーたちが繰り返し購入するのは目に見えていた。