10月4日投開票の自民党総裁選に5人の候補者が名乗りを上げた。政治ジャーナリストの清水克彦さんは「国会議員票では小泉進次郎氏が圧倒的に優勢だが、国民の暮らしと安全を守るという観点で考えると、大きな弱点がある」という――。
さいたま市で開かれた対話集会で意見を聞く小泉進次郎農相=2025年9月21日
写真=共同通信社
さいたま市で開かれた対話集会で意見を聞く小泉進次郎農相=2025年9月21日

序盤戦は小泉氏が大きくリード

9月22日に告示された自民党総裁選挙は、「自民党の再建と改革」「物価高対策」「トランプ関税」「安全保障」「外国人政策」、それに「連立拡大」を争点に、5人の候補者による所見発表演説会やメディア出演、公開討論会などが続いている。

筆者は連日、政治記者仲間と5人の候補の推薦人の顔ぶれや出陣式等に集まった議員の数、それに各陣営から聞こえてくる話を突合しては票読みをしているが、選挙戦前半の現時点における国会議員票(295票)の行方予測は、おおむね以下のとおりだ(図表1)。

【図表1】自民党総裁候補者の議員票獲得予測
筆者作成

「議員票だけで言えば、前回以上に小泉さんがリードしている。菅さん(菅義偉元首相)、岸田さん(岸田文雄前首相)、それに麻生さん(麻生太郎最高顧問)まで小泉さんとなれば、『挙党一致で小泉さん』という流れになる」(小泉陣営 無派閥・衆議院議員)

後は、国会議員票と同じ295票に換算される党員・党友票が誰に流れるか、とりわけ、前回、石破首相に流れた票が誰に行くのかで決選投票にもつれ込むかどうかが決まる。そのカギを握るのが、先に挙げた「物価高対策」だ。