2025年7月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。政治経済部門の第2位は――。
▼第1位 自動車でもエンタメでもない…「最大35%のトランプ関税」で日本の大きな切り札になる"第3の強い産業"とは
▼第2位 日本の「ハイブリッド車」「石炭火力」を散々叩いていたのに…EUが日本に急接近しはじめた哀れな理由
▼第3位 「参政党の支持者=頭のおかしい人」は間違っている…「反ワク、日本人ファースト」の党が普通の人の心を掴むワケ
経済安全保障での連携を強化へ
欧州連合(EU)のアントニオ・コスタ欧州理事会議長(EU大統
日本とEUは共通の課題に直面している。協力関係にあったはずの米国からは輸入関税で、大国にのし上がった中国からは輸出規制で、それぞれ圧迫されている。したがって双方には、協力の余地が大きい。それに、EUが重視する民主主義や法の支配、基本的人権といった価値観を共有できる日本は、EUにとって心強いパートナーとなる。
そう考えると綺麗なストーリーだが、本当のところは「敵の敵は味方」の理屈でEUは日本に接近していると考えた方が、現実的な解釈だろう。米国の保護主義を批判するEUだが、そもそも保護主義を強めていたのはEUだった。EUが重視する脱炭素化政策は、実態として「非関税障壁」の性格が強く、日本の製造業を圧迫し続けてきた。
それに、EUは政府の支援を受けた中国製品の競争力が不当に高いことを批判し、対抗手段として中国製品に対して高関税を敷いたり、またはEU域内の企業に対する補助金の給付を強化したりしているが、これもまた保護主義そのものである。日本が重視する自由貿易体制とEUが思い描く経済観は必ずしも一致せず、ズレがある印象だ。
とはいえ、日本だけで米国や中国に対峙することは非現実的であるから、EUとの協力にはある程度、意味がある。ここで重要な視点は、EUが日本を利用しようとしているのと同様に、日本もまたEUを利用するということだろう。老獪なEUは、一見、平等と思わせながら、自らに有利な方向に議論を持っていく。これにどう抗うかだ。
EUの狙いは「鉱物資源の権益確保」
例えば、EUが日本に期待していることは、EUが内外で推し進めようとしている鉱物資源開発に対する投資だ。世界経済にとってのボトルネックの一つに、重工鉱物であるレアアース(希土類元素)の存在がある。様々な製品に使われると同時に、今後ますますその需要が高まると予想されるレアアースの供給を一手に担っているのが中国だ。

