【弘兼】ビジネスマンとして大成した人は、たとえばユニクロの柳井(正)さんにしても、ソフトバンクの孫(正義)さんにしても、そんなに先の大きな計画は考えていないんじゃないかな。とにかく目の前の仕事を一生懸命やってきただけだったと思う。たぶんチャンスって、どんな人にも平等に目の前をスーッと流れていくと思うんですよ。だから孫さんみたいにいきなりボーダフォンを買わないかみたいな話があったとき、2兆円出してもバクッと食いつく力があるかどうかでしょうね。そこまで大きな話は僕らにはこないけど、それぞれ分相応にその人なりのチャンスっていうのはくるんですよ。
新人漫画家の場合は、「こんな話を書いてみないか」という話が時々くるわけですが、「とても僕にはできません」とか、「それは僕苦手ですから」とか、「そんな絵は描きたくないです」とスルーしていると、結局気づいたときには何も仕事がこなくなって終わりということになっちゃいますね。
【俣野】その能力を鍛える意味でも、上司からのオーダーは即断即決で受けるべきだと思うんです。これ、おいしい仕事かな、どうかなといちいち損得勘定するんじゃなくて。即断即決は訓練次第でできるようになりますから、普段から「その仕事、私にやらせてください」と言えるようにしておくべきだと思います。
※この記事は書籍『プロフェッショナルサラリーマン 実践Q&A編』からの抜粋です。