『進撃の巨人』原作コミックは禁書扱い
その一方で、中国での公開が難しいアニメもあります。反乱作品や暗殺シーンがある作品は、国民が刺激されると共産党は判断します。たとえば『進撃の巨人』のような作品は、中国での映画上映のハードルが高いようです。
『進撃の巨人』は、巨大な壁の中に閉じ込められた人類が、壁内の秩序に反乱し、やがて壁の外の世界に飛び出ていく物語です。極端な情報統制を行い、壁の外の自由な世界を見させないようにしている現在の中国の国家体制からすれば、許されない世界観が描かれています。
それゆえ、中国国内ではコミックは禁書となっていますし、映画版も上映されていません。しかし、日本の漫画文化に強い関心を持つ中国の若者たちは、『進撃の巨人』を様々な手段で手に入れて読んでいるとのことです。禁書はいつの時代も、人々の憧れなのですね。
アニメや漫画、あるいはアイドルのようなサブカルチャーに詳しく熱烈なファンのことを日本ではオタクといいますが、中国でもオタクは増えていて、「宅男」と呼ばれます。日本からの文化輸出といえそうです。
(初公開日:2025年2月6日)