“正しい姿勢”のつくり方

過去に姿勢の指導を正しく受けた経験がないと、アライメント(骨の配列)が整った“ニュートラルな姿勢”という状態がわからないと思います。

もちろん逆腹筋を行うとニュートラルな姿勢に整いますが、背骨のS字カーブや骨盤の向きなど、骨格は自分の目で確認できないので、「本当に姿勢が整ったのかな?」と不安になりますよね。そこで、「理想的な姿勢」とはどんな感じかを、簡単な方法で体感してみましょう。

鏡の前で行うとイメージしやすいのでおすすめします。手順は以下のとおりです。

① 天井から1本の糸で頭頂が引っ張られるイメージで、頭を高く引き上げる。
② 肩と腕の力を抜き、両腕をブラーンと自然に下ろす。

イメージは「操り人形」です。あるいは、ドラえもんの四次元ポケットから出てくる、「タケコプター」でつられているイメージ。

ポイントは、とにかく頭が引っ張られる感覚を維持すること。頭のてっぺんから糸でつるされ、体を固めず、首や肩の力を抜きながら、フワフワッと上に引っ張られている感覚のまま姿勢を作ります。

重要なのは、足元から骨が積み上げられて直立するのではなく、上から引っ張られ、ブラーンとぶら下がっているイメージを持つことです。

日常生活に「ある動作」を加えるだけ

遠くを見渡し、視野を広くすることは、腹筋を遠心性で使い、正しい姿勢を維持するうえですごく大切です。

実は日常生活の動作を少し変えるだけで、「逆腹筋的」体の使い方ができる場面は多々あります。習慣が姿勢に与える影響は非常に大きいので、ちりも積もれば山となる、の言葉通り一つ一つの動作や行動を変えれば、確実に姿勢は変化します。

逆腹筋にプラスして日常生活のなかでこまめに実践し、理想的なアライメントを形状記憶していきましょう。

写真=iStock.com/Mariia Vitkovska
※写真はイメージです
実践①デバイスは「目の高さ」に持ってくる

スマホにタブレット、そしてパソコン。これらのデバイスを使うときは、顔を画面に近づけるのではなく、画面を自分の視線の高さに合わせます。

姿勢は頭の位置で決まります。

私自身もすべてのデバイスを視線の下がらない高さで操作しています。