私自身の経験では、リース会社のオリックスやクレジット会社のオリコがこちらの言い分を比較的聞いてくれるカードの発行元である。

カードの利用履歴は「クレジット・ヒストリー(クレヒス)」と呼ばれ、カード会社が顧客の信用度を測る物差しになっている。

利用頻度が高く、かつ間違いなく確実に引き落としが履行されていれば、優良なクレヒスとみなされ、利用者本人の信用度も高まる。日常的な買い物に利用されるスーパーなど流通系のカードでは、優良なクレヒスを積み重ねることで、限度枠が早めに引き上げられる傾向がある。

クレヒスで限度額アップを狙う場合、最も気をつけなくてはならないのが「延滞」である。銀行口座の残高が不足し、クレジット会社からの請求の引き落としができなくなってしまうことで、一度でもこれを起こすと、カード会社から見た利用者の信用度は一気に落ちてしまう。

若い人に多いのが、携帯電話を分割払いで購入し、その代金が落ちなかったために「延滞」と記録されてしまうケースだ。わずか数百円のために信用が傷ついてしまう。

うっかり延滞の発生を防ぐためには、引き落としに使用する銀行口座を1つに限定することだ。加えてその口座について、各銀行で発行している自動融資つきのクレジットカードをつくることをお勧めしたい。自動融資機能があれば、不足した残高分が自動的にキャッシングされ、延滞を起こさずに済むからだ。

日本では真面目な人ほど現金で払う傾向が強いが、今後は逆に、日頃からカードを利用して優良なクレヒスを積み重ねておくことこそが、本人の信用度を高める手段となる。

(構成=久保田正志)
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