ポイントになる3つの判断要素

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コンプガチャ景品規制上の問題点

実際にユーザーが返還請求の訴訟を起こした場合、コンプガチャが景品表示法に違反しているという理由だけで直ちに無効になるとはいえないので、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」という、民法第90条の「公序良俗違反」を根拠とすることが考えられる。この条文が適用されれば、運営会社のコンプガチャからの収益は不当利得だとして返還請求が可能になる。ただし、公序良俗というのは非常に抽象的な概念である。コンプガチャのビジネスモデルについて「これは誰が見てもおかしい」というレベルの判断に至ることで、初めて契約を無効とすることができるようになるのだ。

運営会社が「公序良俗違反」をした場合、基本的には次の3点が判断要素になるだろう。まずユーザーの“射幸心”をあおる度合い。次に欲しいアイテムの当選確率についてユーザーの誤解を生む可能性の程度。そしてどの年齢のユーザーが、実際にいくらお金を使っていたかだ。

極端な話だが、まだ判断能力の十分でない小学生がコンプガチャに夢中になり、数百万円も使ってしまったとなれば、公序良俗に反するという判断が下るかもしれない。しかし、ユーザーが成人であったとすれば、企業側が確率操作といった不正な行為をしていないかぎり、おそらく契約を無効とする判断にはならないだろう。

使ったお金も数十万円程度では認められない公算が大きい。また「カード合わせ」に当たるとの消費者庁の公的見解が出ていなかった時期のことという点も、消費者には不利に考慮されると思われる。

いつの時代でも、こうした新しいビジネスモデルの規制は、それが世間で騒がれるまでは、行政も動かず、往々にして後追いになってしまうことが少なくない。後追いで規制ができたことを理由に返還を請求しても、実際には困難な問題がある。

(構成=岡村繁雄 撮影=坂本道浩)
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