「つながり」は寿命さえも左右する

模合の素晴らしいところは、性別や世代を超えて様々な人たちが集まってくるところ。そして、その文化を継承しながら、コミュニティの中で生きがいを見つけて、人生を潤していることだ。

石村友見『Life is Wellness 「健康な生き方」の科学』(サンマーク出版)

ブルーゾーンには、社会的つながりが根付いている。沖縄の人たちに模合があるように、イタリアのサルデーニャの人たちは、地元のバーで友達と語り合って1日を終えるし、毎年行うブドウの収穫や村祭りにはコミュニティの人々がこぞって参加する。人々は毎年それを楽しみに待つし、そのイベントを自分たちが作っているという思いもあるだろう。

人は「誰かに必要とされている」と感じたときに心の鐘を鳴らす。喜びと使命感を覚え、それによって自分が救われていくのだ。家族、学校、会社、地域、社会、国――あらゆるシーンで「つながり」の有無が個人に大きな影響を与え、それは寿命さえも左右するということだ。

拙著の第6章の冒頭で、病気を意味する「Illness」の先頭の文字は「I」――私、「Wellness」の先頭の文字は「We」――私たちだと書いた。

人は「I」だけでは孤独だ。

「We」になってはじめてウェルネスを感じ、幸福になれるのだ。

関連記事
【第1回】「32日間の水だけ断食」をした人の悲劇…意識の高い人はボロボロになり、ズボラな人がピンピンしている真の理由
ベンチャー社長の時よりも幸福に生きている…がんと5回闘い、打ち勝った53歳が行き着いた"本当の幸せ"
健康だった彼女はこうして「生ける屍」になった…医者の命令を絶対だと信じた高齢女性に起きた身体の異変
医師・和田秀樹が断言「ヨボヨボ脳→ハリのある脳に変える驚くほど身近な食材と栄養素」
老齢医療の現場で医師は見た…「元気なうちにやっておけばよかった」と多くの人が死に際に思う"後悔の内容"