警察庁の担当者が出向き、スパイ対策を共有
日本の先端技術が中国のスパイに狙われる背景には、ハイテク利権をめぐる米国と中国の覇権争いが激化したことで、各国における先端技術の管理などの対応が強化されたことがある。その結果、欧米諸国と比べて情報管理が徹底されていない日本の技術も中国に狙われやすくなったということだ。
このような状況を受けて、日本の警察当局も対策に乗り出した。警察庁は2022年4月に「経済安全保障室」を設置し、技術情報流出の未然防止のための取り組みを都道府県警察と連携して推進している。
対策の柱はアウトリーチ活動で、担当者が企業や研究機関に出向いて実際の事件をもとに海外の経済スパイやサイバー攻撃の手口を解説したりして対策の徹底を呼びかけているという。
世界的に中国の諜報活動が活発となり、先端技術の争奪戦が激化する中で、日本の技術が流出する可能性は高まっており、日本はこれまで以上に警戒感を高め、対策を強化する必要がある。