日本と台湾に流れている
ちなみに、韓国行きをやめたタイ人観光客がどこに流れているかというと、ノービザで観光できる日本と台湾だという。
日本の観光庁によると、今年1~4月に日本を訪れたタイ人観光客は、前年同期比27.5%増の46万6000人と、韓国を訪れたタイ人観光客の3.9倍にも上った。
コロナ禍前の19年4~9月に日本を訪れたタイ人観光客は51万3000人と、韓国を訪れたタイ人観光客の約2.5倍程度だったが、その差が拡大したというわけだ。
反面、タイを訪れる韓国人観光客は増加の一途を辿っており、タイ人からすればギャップを感じる場面も多いと推測される。
韓国で急増する「タイ人の不法就労」
タイ人に入国制限をかければ、観光業に大きな打撃を与えることは韓国政府も当然理解していたはずだ。どうしてこのような厳しい規制を実施しているのか。
その背景にはタイ人の不法就労者の多さがある。
韓国政府によると、韓国で合法的に働くタイ人の数は約1万8000人。これに対し、不法就労しているタイ人は14万人にも上ると言われている。
タイ人観光客が日本に流出している問題について、韓国のネット民からは「日本に不法滞在するタイ人が増えそう」「不法滞在者になるなら来ないほうがマシ」などいうコメントが見られたが、その背景には上記のような事情がある。