障害者手帳がなくても障害者扱いになる

ここで勘違いしてしまうのが、障害者についてです。障害者は所得税や住民税が軽減されますが、障害者手帳を持っていないと該当しないと思いがちです。

しかし、税法上の障害者は「常時身動きが取れない人」「市町村区が身体障害等に順ずると認めた65歳以上の人」「要介護認定を受けている人」が該当するので、障害者手帳を持っていなくても自治体にもよりますが、認められるケースがほとんどです。

控除額の目安が障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円。さらに、ここで大切なのは障害者控除の対象になると住民税課税世帯から非課税世帯になることもあり得ることです。

この欄に星印が入るだけで、例えば特別養護老人ホームの1カ月にかかる費用が5万円軽減された例もあります。それだけでもかなり助かります。

もう一つ忘れがちなのが寡婦控除です。

税法上の寡婦とは、夫と死別または生死不明になってしまった女性です。本人の所得条件は500万円以下で扶養親族がいない場合も寡婦として認められます。

別のパターンで寡婦として認められるのは、離婚した女性で子ども以外の扶養親族がいる場合です。寡婦控除は所得税27万円、住民税26万円を差し引くことができます。

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年金を繰下げても税金を減らせる

また、元会社員や元公務員の方で、年金の繰り下げを検討している方におススメの方法があります。それは片方だけを繰下げるという方法です。

年金は一般的に、65歳から受給が開始されますが、本人の希望で受給時期を繰下げることができます。1年繰下げるごとに、年8.4%年金額が増えます。最大75歳まで繰り下げることができるので最大84%ももらえる年金が増えるのです。

意外と知られていませんが、繰下げ受給には、国民年金と厚生年金(会社員や公務員が加入)のどちらか片方だけを繰下げるという方法もあります。この方法を使うといくつかメリットがありますが、その一つとして、年金にかかる税金を減らすことができます。

国民年金、厚生年金の両方を繰下げてしまうと、公的年金等控除額の非課税枠は使えません。片方だけ繰下げることによって、毎年、公的年金等控除の非課税枠を使用することができます。

年金は、もらう額が一定以下なら税金がかかりません。この非課税枠を使わないのはもったいないのです。その金額は、65歳以上で年金のみ受給の場合、公的年金等控除額110万円と基礎控除額48万円の合計158万円が非課税枠になります(公的年金等控除額は、年金収入額と年齢により異なります)。

繰り下げしない年金がこの金額以下であれば、所得税が引かれません。節税にもなりうれしい年金活用になります。