発見が遅れれば、治療費も死亡リスクも高くなる
日本核医学会による「FDG-PETがん検診ガイドライン」には、「PETがほとんど役に立たない種類のがんもあるために、がん検診にPETを用いる場合は他の検査を併用する『総合がん検診』が望ましい」と記されている。
約40年間、がん患者の診療にあたってきた、北海道がんセンター名誉院長・西尾正道氏はこう述べる。
「適切ながん検診を受けてステージ1で見つかれば、95%が完治できて治療費の負担も少なく、短期間で社会復帰できます。一方、症状が出てから受診する人の多くは、ステージ3程度まで進行しているので、副作用が厳しい抗がん剤治療が必要になり、半数は命を奪われます。治療費の負担も大きい。がん検診の内容を見直すべきでしょう」
時代遅れとなった検査方法で集団検診を受け続けても、がんの早期発見は難しい。
それに、がんのリスクは個人によって大きく違う。自分にとって何がリスクなのかを把握して、必要な検査を適切な間隔で受けることが重要なのだ。
どのような検査にもメリットとリスクがあるので、信頼できる専門医に相談するなどして、後悔のない選択をしてもらいたい。