エコー検査やMRI検査も選択肢に

厚生労働省研究班の報告書の画像を見ると、「高濃度乳房」は、乳房全体が白く写ることがよく分かる。

マンモグラフィ検査のイメージ(「厚生労働省研究班・乳がん検診の適切な情報提供に関する研究」より)

「高濃度乳房」の早期がんを発見する方法としては、「エコー(超音波)検査」や、「MRI(磁気共鳴画像法)検査」がある。

特にMRI検査はマンモグラフィやエコーと比較して、乳がんを見つける能力(感度)が高い。ただし、偽陽性(精密検査で、がんではなかったと判明すること)も多いという研究もあることも知る必要がある。

まずは自分が「高濃度乳房」であるかを確認した上で、検査方法は乳腺外科医など専門性の高い医師に相談することをお勧めしたい。

保険非適用「PET-CT検診」の本当の実力

「全身のがんを一度にスクリーニングできる、PETがん検診を受診しませんか」

このように呼びかけるクリニックや人間ドックが増えている。

がん検診として行うPET検査費用は全額自費で、10万円前後の設定が多い。

PET-CT検査装置(※本文とは関係のない医療機関の許諾を得て掲載)

PET-CT検査は、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略称で、がん細胞が通常細胞よりもブドウ糖を多く取り込む性質を利用する。

FDG(放射性フッ素を付加したブドウ糖)という薬剤を注射して、全身を輪切り状に撮影、画像にFDGが集積して光った部分があれば、がんの疑いがあるとされる。

画像提供=西尾正道氏
PET-CT検査の画像
画像提供=西尾正道氏
PET-CT検査の画像(全身)

PET-CT検査では、頭頸部がん、肺がんなどの早期発見を得意にする一方、苦手とするがんもある。胃がんには、FDGが集積しにくい性質があるし、大腸がんは相当に大きいサイズにならないと反応しない。FDGが尿に取り込まれるため、泌尿器系(膀胱、前立腺)もPET-CT検査で早期発見は難しいという。