見るべきポイントは大きく6つある。

まずは「費用」だ。介護保険の自己負担分、病院までの送迎や買い物の代行など、月額利用料に含まれないものや、途中で退去する場合の返還金についても調べておこう。また介護度が増すと、系列の介護専門施設に移されるところもある。介護度が進んだ場合の対応や費用も確認しておきたい。これらの情報を開示しないようなホームは、トラブルになりやすい。

2つ目は「設備やスタッフの様子」だ。必ず見学して、しっかり観察することが重要だ。

3つ目は「運営事業主体」。現場のスタッフがよくても、運営主体がよくないところはお勧めできない。事業構成や業績を見て、安定した経営母体を持っているかどうかを確かめよう。

加えて、「スタッフの採用や教育、チームづくり」「ホームの運営や管理」も確認する。これは、見学で観察するだけでなく、施設長との面談でも見えてくる。ときどき、見学に行っても施設長がまったく顔を見せないホームがあるが、入居希望者に直接会って施設の特徴や理念について話をしない施設長に人生を任せることはできない。

最後に、入居契約書、重要事項説明書などから、入居に関わる条件や規定を読み解く必要がある。悪質なホームほど、これらの文書がわかりにくくなっているので、できれば専門家の手を借りて確認するほうがいいだろう。

入居後、「こんなはずでは」という事態に陥ることがしばしばある。これまで述べたチェックポイントのうち、費用、介護度が進んだ場合の対応については、チェックシートをつくり、説明を受けた人のサインを取り付けておくと後で言った言わないの揉め事にならずに済む。

最近は料金プランもバリエーションが多くなり、選ぶのが大変だ。ぱっと見の金額に惑わされないよう、きちんとシミュレーションを行い、同じ金額でも質のいい施設を選んでほしい。

※すべて雑誌掲載当時

有料老人ホーム入居支援センター 理事長 
上岡榮信

フリーランス通訳として企業の海外視察、研修、調査の企画、手配を手がける。海外で700、国内で200の施設を訪問。
(構成=大井明子 撮影=永井 浩)
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