前向きな気持ちに一瞬で切り替えるには
以前私は夜型人間だったので、当初は早起きがつらかった。そこでめげずに意識して続けているうちに早起きが習慣になりました。「意識する」ことは、とても大切なこと。それを知ったのは20代のころでした。ある仕事でミスをしてお客様からクレームがきました。すぐにタクシーを拾ってお客様のところへ向かっているとき、カーラジオから聞こえてきたのが大リーガー松井秀喜選手が星稜高校野球部時代の恩師・山下智茂監督から教えられた言葉でした。それは、
意識が変わると行動が変わる
行動が変わると習慣が変わる
習慣が変わると人格が変わる
人格が変わると人生が変わる
という内容でした。
とても大切な言葉を教えてもらった気がして、あわてて車内でメモをしました。それ以来、意識して行動することを心掛けるようになりました。それがより豊かな人生を送ることにつながると信じたからです。
いい仕事をするためには効率を求めるだけでなく、メンタル面のケアも大切だと思っています。いくつか心掛けていることがあるのですが、ひとつには自分が「こうありたい」という事柄を書き留めた「アファメーションカード」があります。カードの言葉はすべて「私は」という主語で始まり「いつもすべてのことに感謝している」「どんなときもありがとうという気持ちを持っている」「ステキな家族・友人に恵まれている」というようなことが書いてあります。これを折に触れて繰り返し読んで脳幹に刷り込んでいます。私だって凹むこともあるし、ミスして自分を必要以上に責めたり、ストレスを家族にぶつけることもある。そんなときにカードのメッセージを読んで「凹んでいても何も変わらない。こんなことでくじけているわけにはいかない」と前向きな気持ちに切り替えるのです。
また自宅の各部屋や会社のPCの側には鏡を置いています。自分の顔を見る機会ってあまりないでしょう。どんな顔で相手に接しているのかを意識することもない。でも近くに鏡があると、子どもを怒っている顔はすごく醜いとか、苦手な相手の電話だとすごくつまらなそうな顔をしていると自覚できるのです。
私はボーッとするのが苦痛で、常に何かにチャレンジしていたい。時間を消費だけではなく生産に使いたい。そのため「回遊魚」なんて呼ばれているのですが、泳ぎ続けることが苦にならないのは、今の仕事がライフワークだと思っているからです。ご縁があってお会いするからには、お客様のお役に立ちたいと強く願います。
私は人脈を表す指標は「何人を知っているか」ではなく「何人に知られているか」だと思っています。その関係づくりにも朝の時間が役立っています。
森本千賀子
同社にて大手からベンチャーまで幅広い企業に対する人材戦略コンサルティング、採用支援を手がける。入社1年目から営業成績1位、全社MVPを受賞以来、常にトップを走り続けるスーパー営業ウーマン。