▼小宮さんからのアドバイス

経営コンサルタント 小宮一慶 こみや・かずよし●1957年、大阪生まれ。銀行勤務後、MBA取得。著書に『社長の教科書』『どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座』など多数。

24時間いつでもやる気いっぱいという人はいません。1日のなかでも気力が充実してパフォーマンスが上がる時間帯と、どうにも調子が出ない時間帯のあるのが普通です。しかし、集中力の続かない時間帯に頑張って机にしがみつくのは、単なる時間の浪費。それより、自然と調子の上がるタイミングを計って最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしたほうが、結果的にはより多くのことを成し遂げられるはずです。

そこで、まずは1日の使い方を検証して自分のリズムを把握してみることをおすすめします。そして、やる気の出る時間帯がはっきりしたら、その時間帯をうまく活用するよう工夫します。たとえば私の場合は、朝がもっとも生産性の高い時間帯にあたります。目覚めた直後から仕事のアイデアがどんどん浮かびますし、頭がクリアなうえに集中力が高まっているので、短時間でも大きな成果を出すことが可能になります。原稿の執筆などもほかの時間帯に比べ格段にはかどります。

アウトプットだけではありません。インプットのなかでも、とくに負荷の高いインプットについては、朝の時間帯に集中的に行うようにしています。具体的には、日経新聞はじめ数紙を精読し、時間に余裕があれば、『スティグリッツ 入門経済学』のようなノーベル賞受賞者の難しい本を読み返すという具合です。