朝時間をできるだけ効果的に使うには、いくつかコツがあります。まず準備やウオーミングアップはあらかじめすませておくことです。原稿を書くことが決まっているなら、前日の夜に資料やデータを机の上に用意しておきます。そうすれば翌朝すぐに書き始めることができ、時間が無駄になりません。また、その日やることを会社に着いてから確認していたのでは、貴重な時間が奪われてしまいます。前の晩あるいは通勤電車のなかで、ToDoリストをつくっておくといいでしょう。さらに会社に向かう道すがら、今日やるべきことを頭のなかで反復し確認すれば完璧です。

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出典:gooリサーチとの共同調査「あなたの時間の使い方に関するアンケート」(n=1500万円以上306人、500万円台311人/2009年11月調べ)

誰よりも早く出社して静かなオフィスで作業するのもいいと思います。私はしばしば朝7時前に出社しますが、来客も電話もないので、何をやってもはかどります。ベストのコンディションで仕事や勉強に臨めるよう、体調を整えておくことも大切です。夜の会食のあと、私は二次会には行きません。また、夜9時以降は何も食べないようにしています。それは自分がもっとも集中できる朝の時間帯を最高の状態で迎え、そこで最大限のパフォーマンスを発揮したいからです。

ただし、朝は誰でも生産性が上がるかといえば、そんなこともないと思います。自分は夜がいちばん集中できるというタイプであれば、夜の時間帯に集中しなくてはならない作業や勉強の時間をもってきたほうがいいに決まっています。早起き自体にはあまり意味はありません。大事なのは1日の自分のリズムを知り、もっともパフォーマンスの上がる時間帯に集中力を必要とする仕事やインプットをもってくること、それにより高いアウトプットを実現することなのです。

※すべて雑誌掲載当時

(山口雅之=構成)