ネガティブな結果には事前の対処法が必須

その結果、ポジティブ思考だけでなく、目標達成の障害になりそうなことも考えてもらった学生のほうが、最終試験で良い点数をとれることがわかりました。

ポジティブなことだけを考えるのは、単なる夢想と変わりません。

現実には、さまざまな障害や妨害があるものであり、そういうこともきちんとあわせて考えておかなければならないのです。

ネガティブな結果も予想し、あらかじめ対処法を決めておく必要があります。

想定される障害と、その対処法をあらかじめ決めておかないと、いざというときに困ったことになってしまいます。

さすがにすべての障害を考えつくすことは難しいと思うのですが、可能性としてありそうなことは、すべて対処法を考えておきましょう。

想定外のことが起きたときにパニックにならないように、ポジティブなことだけでなく、ネガティブな可能性についても考えておくことが大切なのです。

人に親切にすると自分のエネルギーも高まる

スーパーやコンビニで買い物をするとき、レジの横に募金箱が置かれていることに気づいたとしましょう。

こんなときには、ぜひ募金をしてみてください。ほんの少しでもかまいません。買い物のときにお釣りをもらうことがあれば、その中からいくらかを募金してみましょう。

募金をすれば、支援してもらえる人も嬉しいでしょうし、自分自身も元気になれるからです。

フィンランドにあるヘルシンキ大学のフランク・マルテラは、オンラインで募集した335名(平均37歳)に、「この2週間以内で、どれくらいチャリティに寄付をしましたか?」と聞く一方で、バイタリティ(「私は元気いっぱい」「私はやる気に満ちあふれている」など)

の質問にも答えてもらいました。

その結果、寄付をする人ほど、バイタリティを感じていることがわかったのです。

親切な心とバイタリティには、非常に強い関係性があります。

他の人に良い行いをすることは、幸せを感じるコツでもあるのですが、バイタリティまで高めてくれるのです。

もし困っている人がいたら、「どうしました?」と声をかけましょう。

親切にすると、相手からは「ありがとう」と感謝してもらえますし、感謝の言葉を聞くのは、非常に気持ちのよいものです。

そういう幸せな気分が、私たちのバイタリティを高めてくれるのでしょう。