耳鼻咽喉科の医師の約9割は子どもの外科処置に消極的
このような場合は連携している耳鼻咽喉科で診療してもらい、必要なら外科手術をお願いして鼻呼吸ができるようにしてもらいます。なお、私の感覚では一般的な耳鼻咽喉科の医師の約9割は子どもの外科処置には消極的です。
そのような耳鼻咽喉科では吸入器や薬などによる対症療法しかしてもらえないため、口呼吸は一生治りません。そこで当院では、外科治療をしてくれる耳鼻咽喉科の医師と連携し、原因を特定して根本的な治療をするように努めています。
また、アレルギーが原因で常に鼻がつまっている子どももいます。昨今は花粉、ハウスダスト、ペット、食品など、さまざまなアレルギーがあります。このような場合も耳鼻咽喉科やアレルギー科の医師と連携し、アレルギーが特定できたら、それを除去するようにします。
例えばハウスダストの場合は、寝室だけでも可能な限りきれいに清掃してもらいます。また、ベッドにはぬいぐるみを置かないようにしたり、ペットを飼っている場合は寝室には入れないようにしたりする、といったことを徹底してもらいます。
実を言うと、私も小児期より鼻が悪く、鼻で呼吸をしたことが44歳までありませんでした。つまり44年間、口呼吸でした。子どもの頃、母親に鼻がいつもつまっているので治してほしいと何度も訴えて耳鼻咽喉科を回った記憶があります。
鼻の解剖学的な原因のため44年間鼻で息ができない
当時は吸入器(ネブライザー)という機械を使い、薬を鼻の奥に届けて終わりというのが定番でした。何度も何度も耳鼻咽喉科に通った記憶が今でもあります。
通っても通っても治らないため、母親に「鼻の手術をしたい」と頼んだことがありましたが、当時はまだ外科的治療法が普及しておらず、ずっと辛い思いをしてきました。
私にとっては、吸入器(ネブライザー)は対症療法であり、根本的な治療ではありませんでした。今では耳鼻咽喉科の先進医療も進み、小児期でもさまざまな治療ができるようになりました。
44歳で初めて耳鼻咽喉科で鼻の精査をしてもらい、鼻中隔湾曲症と下鼻甲介肥大症という診断を受けました。44年間鼻で息ができなかったのは、鼻の解剖学的な原因のためでした。
いくら吸入器(ネブライザー)で治療しても治らなかったわけですよね。
すぐに全身麻酔下で鼻中隔矯正術と下鼻甲介骨切除術を行いました。結果的に今では生まれて初めて鼻で呼吸することができています。鼻で呼吸できる素晴らしさを44歳にして初めて経験しました。