子供の虫歯を予防するにはどうすればいいか。日本歯科大学付属病院臨床准教授で歯科医師の多保学さんは「口の中の細菌のバランスは、3歳までに決まる。実際に、3歳までに虫歯がなかった子どもが虫歯になる可能性は、虫歯があった子どものわずか4分の1というデータもある。3歳までに虫歯になる子どもは、食生活に問題があることが多い。磨き残しをなくすために、親は子供に小学生4年生になるまでは仕上げ磨きをしてあげるといい」という――。
※本稿は、多保学『0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。
歯磨きの時間が大好きな子供にする親の対応
子どもの歯が生えてくるのは、生後6カ月くらいからです。お子さんに仕上げ磨きをこれからスタートされる方は、まずはお口の外側から「触られる」という感覚になれてもらうようにお顔の周りをやさしく触れたり、体をマッサージしたりしながら準備体操をしましょう。
そして「歯磨きって気持ちがいい! 楽しい!」と感じてもらえるように、お気に入りの歌を歌いながらお子さんの目をしっかり見つめて、スキンシップを取りながら、歯磨きタイムを作ってあげましょう。
その時のポイントとして、歯磨きする方は笑顔で楽しそうに接する。歯を磨くことだけに集中すると、歯磨きする人の顔の眉間にしわが寄ったり、怖い顔になったりするのでお子さんが不安になり、泣いてしまったりすることがあるでしょう。
1歳前くらいまでにふれあいながら歯磨きの時間を親子のコミュニケーション時間としてお子さんの安心感を得ることができれば、歯磨きの時間が大好きなお子さんになるでしょう。
しかし「うちの子は歯磨きが苦手なんです」
私の医院を訪れたご両親から、こんな声をよく聞きます。このような歯磨きの嫌いな子どもを、どのようにして虫歯から守れば良いでしょうか。