最低1日2回、朝食後と夕食後に必ず磨く
大切なことは、ご両親が子の歯磨きを継続的にしてあげることです。当院では、子どもに歯が生えてきたタイミングで、歯磨きの方法をまずご両親に伝えます。子どもが自分で歯を磨くようになっても、磨き残しをなくすため、その後に必ず仕上げ磨きをしてあげてください。
子どもの歯を磨こうとすると、必ず抵抗されますので、床に座って両足の間に子どもを寝かせて、子どもの両腕を、親の両脚でそれぞれしっかりと抑え込みます。そして、親のお腹の辺りに子どもの頭を置き、真上から子どもの歯を観察しながら磨いてあげます。
子どもはとにかく嫌がりますから、泣かれても抵抗されてもひるまずに、しっかりと口を開けさせて、歯の汚れを落としてあげてください。歯磨きをするタイミングは毎食後が望ましいですが、最低1日2回、朝食後と夕食後に必ず磨くようにします。
それだけでも、虫歯になる確率はものすごく下がるという調査結果があります。歯ブラシはヘッドの小さい子ども用のものを使用してください。歯磨き粉は、虫歯を予防する働きのあるフッ素入りのものを使いましょう。
小学2年生で「歯磨きを本人任せ」はやってはいけない
仕上げ磨きは、小学4年生まではしてあげてください。
小学2年生くらいになると、「もう自分でできるだろう」と歯磨きを本人任せにしてしまう親御さんもいますが、小学生のうちは、子ども自身で歯磨きを管理することはなかなかできません。
特に小学4年生までの朝・晩の歯磨きは、親が責任を持って仕上げ磨きを行ってください。そうすれば、子どもが虫歯になる可能性は限りなく少なくなるでしょう。
フッ素入りの歯磨き粉の普及や、正しい歯磨きの方法が啓蒙されてきたこともあり、虫歯がある子どもの割合は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査(令和4年度)」によると、年々減少傾向にあります。
しかし、その一方で、虫歯のある子どもは一定数存在します。中には、口の中が虫歯だらけの子どももいます。多数の歯で同時に急速に進行する虫歯のことを「ランパントカリエス」と言います。
ランパントカリエスに特になりやすいのは、普段から糖分の入った甘い飲み物を飲んでいる子どもです。こうなってしまうのは親の怠慢であり、現在では子どもへの虐待(ネグレクト)に当たる可能性が高くなります。
10歳までの間は、子どもの虫歯予防は親の責任です。1日最低2回、フッ素入り歯磨き粉を使って仕上げ磨きをしてあげることで、子どもを虫歯から守りましょう。