視聴者の判断は早い
ただし「まだ始まったばかりで判断は早い」の声も聞こえてきそうだが、それでもタイパ時代の今、判断の早い視聴者は少なくない。
例えばF1(女性20~34歳)の第1週の視聴率推移。
月曜の初回では、「虎に翼」の1.5倍超あったが、木曜の4話までに肉薄され、金曜の5話では逆転されている。4分の1が逃げてしまった格好だ。「虎に翼」が5日間で右肩上がりとなったのと対照的だ。
中高年でも傾向は同じだ。
例えばF4(女性65歳以上)では、「虎に翼」は2~3話でやや数字を落としたが、4~5話では初回を超えた。評判を聞いて見始めた人が少なくなかったようだ。
一方「おむすび」は停滞した。
週の後半は前半より数字を下げた。この傾向は2~3層でも同様で、やはり最初の2~3話で脱落してしまった視聴者が少なくなかったようだ。
SNSに表れた視聴者の判断
では厳しい評価はどこから来るのか。
SNSには具体的な指摘が幾つもある。まず「つまらない」という声の数々。
「テンポが悪いしありきたりだし安っぽい」
「これから面白くなる気がしない」
連続ドラマでは、初回を試しに見る人が多い。
ただし視聴し続けるか否かをそこで判断し、結果として2話目で1~2割数字が下がることも珍しくない。
ドラマの序盤は、物語の設定や登場人物の紹介など説明的なシーンが多くなりがちだ。ところが視聴者には「展開が遅い」「駄作の予感」と受け取られ、離脱増につながってしまう。
実際に脱落を表明した声も少なくない。
「1週見たけど脱落です」
「軽さに耐えられなくて脱落しますわ」
「ストーリーにあまり奥行きを感じないので見続けるモチベーションを保つのが難しい」
視聴データを裏付ける声の数々だ。
「初回からいきなり朝ドラあるあるで海に飛び込むし」
「嫌いだったトマトがいきなり好きになったり、海に飛び込んだのにすぐに服が乾いてたり」
「初めましての人たちの中で家族のあまり知られたくない過去を平気で話す脚本に初回から不安しかない」