寄進して鳥居や玉垣に「自分の名前」を残すには

お世話になっている神社に鳥居や玉垣(神社の本殿の周囲や境内の境界に巡らされた、木製または石造りの柵)を寄進するなどして、自分の名前を残したいという方もおられるでしょう。えてして神社は改修が必要な箇所があり、氏子や崇敬者からの寄進をその費用に充てています。玉垣は改修のタイミングが合えば寄進が可能ですし、稲荷神社の小型の鳥居は何本も並べて建てられるので、名前の入った鳥居を新たに建ててもらえるかもしれません。

具体的な寄進の内容や金額については、「鳥居か玉垣を奉納したい」などと、神社にざっくばらんに相談するのが確実です。奉納額は寄進するものの規模によって異なります。ただし、寄進はあくまで気持ちであるため、無理のない範囲で金額を決めましょう。幟のようなものであれば一つ5000〜1万円程度で名前を入れたものが奉納できるところもあります。

お寺も最近は経営が厳しいと聞きますが、それ以上に収入の手段が乏しい神社はさらに大変です。伝統産業と同じように、みんなで守っていかなければ、日本の文化の重要な部分が廃れてしまいます。「この神社が好きだな」「この空間を守りたい」と思ったら、10円のお賽銭を100円にする、先ほど述べたように寄進をする、あるいは推し神社の崇敬会に入ることを検討してもいいでしょう。

鳥居の先には何がある? 慣れると気づく社殿の魅力

神社の境内には、いくつもの施設があります。最も重要な施設が、本殿と拝殿です。本殿は主祭神の神霊が宿る御神体が奉安されている建物で、八幡造や春日造など、祀られている神様とも関係するさまざまな建築様式があります。古くは本殿前の露天で宗教行事が行われましたが、悪天候の日でも風雨を避けて祭祀ができる拝殿が普及していきました。神社によっては本殿と拝殿が一体化している場合もあります。

本殿以外に、摂社や末社と呼ばれる小ぶりな社が設置されていることもよくあります。摂社は本殿の神様の親神や御子神など、御祭神と関係の深い神様、末社はそれ以外の神様が祀られることが多いです。中には金運や縁結びなどのご利益があることから、本殿より人気を集めている摂社・末社もあります。しかし、まず主祭神が祀られている本殿に参拝してから、これらの社にお参りするのがマナーです。

仏教寺院に比べて神社の建物はシンプルです。それでも見慣れてくると「拝殿などに施された獅子や龍などの彫刻」や「参道は本来まっすぐだけど、この神社は本殿に魔が入ってこないよう、ちょっと曲がっている」など気づくようになり、面白くなってきます。