祭りの神輿を担ぐのは、神様の霊威を分けていただくため

各地の神社では、それぞれに神事やお祭りが行われています。神職が常駐する神社であれば、毎日何らかの神事が行われており、さらに時期に応じて大きなお祭りを行ったり、神楽などの芸能が奉納されたりしています。

そうした行事に参加したい人はどうすればいいでしょうか。拝殿で行われる神事については、氏子総代や特別な崇敬者しか参列できない場合、事前の申し込みが必要な場合、誰でも参加できる場合など、さまざまなパターンが存在します。これらについては、神社に問い合わせるのがベストです。

神輿が出るようなお祭りについても、参加の可否や方法はさまざまです。京都の八坂神社の祇園祭のように、神輿や山鉾の巡行に直接携わる人々を地域住民に限定しているケースも少なくありません。一方で、小さな神社や参拝者が少ない神社は、広く参加を呼びかけているケースもよくあります。

神輿を担ぐことには、神様の乗り物を持つことで神様の霊威を分けていただくという意味合いがあります。神輿を揺らすのは神様の魂振たまふりといって、神様の霊威を高める意味がありますし、中には神輿が壊れるほど荒々しく扱って、神様が新しい力を得られるよう願うところもあります。

人間の生活には1日、1月、1年のサイクルがあり、それが農業や漁業といった地域ごとの重要な産業とリンクしています。そうした生活の中で神道という信仰は息づいています。毎年のお祭りにも、普段の暮らしの中でたまった悪いものをハレの日に祓い、神様には霊威を高めていただき、自分たちもまた1年分のエネルギーをもらうという意味合いがあるわけです。神事やお祭りに参加するときには、こうした各神社の教えや神事の歴史的背景などを学ぶことも大切だと思います。