俺の1票が選挙の結果を左右するわけない

僕はつねづね、若者こそ選挙に行くべきだと言っています。巷でも実際に選挙が近づけば、「あなたの1票が世の中を変えます」という言葉がテレビや街中に躍りますよね。

でも、あなたはこう思ったかもしれません。

「そんなこと言ったって、俺(私)の1票が、選挙の結果を左右するわけないじゃん。自分が投票に行ったくらいでは、世の中は変わらないよ」

綺麗事はなしで言いましょう。実際、そのとおりなんです。投票所に行っても、「あなたの1票」が現実を大きく変えることはほとんどありません。

あなたが遊びの予定をわざわざずらして投票所に足を運んで、「○○党の◎◎さん」に票を投じても、夜の開票速報では落胆することになるかもしれない。

「ほら、やっぱりね。俺(私)の1票なんて、そんなもんだよ」と。

でも、「だから無駄だった」わけでは絶対にないんです。あなたの投票が短期的に夢の社会を実現することはほとんどない。だけど中長期的に見れば、「あなたの1票」は政治家をジリジリと圧迫するプレッシャーになるからです。

あなたが「投票」をしなければ、あるいは無投票の人が大勢いれば、政治家はあなた方の存在をまるっきり無視することができます。

でも、あなたが毎回確実に「投票」をする存在に変われば、そしてあなたの周囲の若者の仲間が確実に投票するようになれば、あなた方若者の存在は政治家にとって無視できないものになっていきます。

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明日でなく未来の政治を変える

仮に学校で、生徒会の学年代表を選ぶ選挙があったとします。学年に生徒が100人いるとして、つねに投票するのは半数の50人だけだとしましょう。しかも、そのうちの30人はある候補者に絶対に投票してくれるとします。

すると、その候補者は自分に投票してくれる30人だけを見て、彼ら彼女らが喜ぶ活動をしますよね。その30人だけを喜ばせておけば、自分は確実に学年代表に選ばれるのですから。

でも、ある日投票が任意ではなく義務化され、残りの50人が一斉に投票し始めたらどうでしょう。自分の支持者30人だけを喜ばせていても、確実に当選できるとは限らなくなります。

自分の支持者以外の70人の中には、自分を評価しない生徒も多く含まれているはずです。彼ら彼女らを無視した活動をすれば、自分のライバルに票を投じてしまうかもしれません。

政治家の選挙だって同じことです。そう、あなたが選挙に行かねばならない理由は、明日の政治を変えられるからではなく、未来の政治を変えられるからなのです。

つまりは、政治家たちに「次は落ちるかもしれない」危機感を抱かせる行為にほかなりません。