「せん妄」への認識が低すぎる

ここで、日本の医療の問題点を述べたいと思います。

超高齢社会であるのにもかかわらず、高齢者に起こりうる「せん妄」という意識障害についての医師や社会の認識が低すぎます。

和田秀樹『「せん妄」を知らない医者たち』(幻冬舎新書)

高齢の肉親が入院して、しばらくぶりに退院した時に、どうも様子がおかしい。ぼーっとしていて、いつもと違う反応速度。「あれ? ボケちゃったの?」と思ったことはきっとあるはずです。しばらくすると元に戻る。これは一時的な意識障害、つまり「せん妄」です。多くの方が体験したことがあると思うのです。

医療の現場では、非常にありふれた症状です。

それなのに、なぜ考えが及ばないのか。社会が触れないのか。医者がわからないのか。

本当にわからないのであれば、本当に情けないほどに、日本の医者のレベルが低すぎると言わざるを得ません。

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