心臓の病気に有効な予防法の中身
吉川はとりだい病院の心臓外科教授に就任した際、周辺の開業医50施設を回って挨拶、同時に「聴診器を使ってください」と啓発していったという。その受け皿としてとりだい病院に「心雑音外来」を作って、クリニックの先生が大学病院を紹介しやすい環境も整えた。
敷居を下げて来院を促すことによって、すでに何人もの患者さんが聴診器をきっかけにして弁膜症の発見から手術にまでつながるという成果が出てきている。
この他にもロボット支援手術の導入など、心臓に対する治療や検査の方法は日々進化を続けている。しかしどんなに進んだ治療法にも必ずリスクは伴い、また一度壊れてしまった組織を完全に元通りの状態に戻すことはできない。
だからこそ、ひとつしかない自分の心臓を守るためには、まずは病気にならないように予防することがもっとも重要だ。
「あまり目新しいことではないかもしれませんが、食生活の改善や適度な運動習慣などといった、ほかの病気を防ぐための知識を活かし実践することが心臓の病気にとっても有効な予防法です」(衣笠)
生活習慣の改善が、心臓を守るための最善の方法にもなるのだ。