リビングに置いた家計簿で、夫婦の会話が増加
こうして減らしていく中で、マイさんの身に思わぬ変化が起きました。
リビングに家計簿セットを置いておくことで、夫が「何? 家計簿つけてるの?」と気付き、家計管理をネタに、夫婦の会話が増えていったのです。
最初は「どうせまた3日坊主じゃない?」といった冷ややかな反応だった夫が、マイさんがコツコツと続けているのを見て、「うちってどれぐらいかかってるの?」「今月はどう?」「いくらか残った?」など、家計に関心を持つように。マイさんも、「今月は、こういう入り用があってね」などと赤字の理由を話すことで、それまで溜め込んでた不安感が和らいでくのが実感できました。
「これまで、夫が不在だったから、自分一人で決めないといけないことが多かった。それがけっこう孤独でプレッシャーでした。でも、家計の悩みを少しずつ夫に話せるようになって、それがきっかけでいろんな話ができるようになっていき、すさんでいた気持ちがだんだん晴れていったんです。最近では、衝動買いも減ってきました。私に必要だったのは、資格取得の習い事やご褒美より、夫婦の会話だったのかもしれません」(マイさん)
家計と向き合う中で、自分の気持ちにも向き合うことができたマイさん。夫と家計の問題を共有できたことは、大きな進展だったようです。ただし今後、節約して残ったお金が「離婚を視野に入れた自己投資」から、「老後資金」へと順調に変わるかどうか、ワンオペの恨みが解消されるのか、それはもう少し様子を見てみないとわかりません。