「成長しなくちゃ」と資格取得に月6万円

さらに話を聞いていくと、夫は子どもが幼い頃から多忙で、マイさんはずっとワンオペ育児。限界までストレスを溜め込んでいたことが分かりました。

「気づけば子どもは高校生になり、友達との時間や部活で過ごす時間が増えていく。周りの女友達も、子どもも、目標もあってイキイキしている。それに比べて、自分は毎日単調なパート仕事だけ。なんか置いていかれている気がして、むなしいんですよね」(マイさん)

そこでマイさんは、「自分も成長しなければ」と、習い事にのめりこむように。後で分かった事ですが、自身の習い事にかける費用は月にならすと6万円程度でした。

「自宅で学べる通信課程のウェブデザインの講座、マイクロソフトの技能検定、ヨガ講師などなど。でも、実になったかというと……どうでしょう」(マイさん)

お金が貯まったら何かを始め、分割払いのローンは貯まる一方。それを返済し切れないうちにまた次に手を出してしまう。その行動の裏には、ある計画もありました。

電卓と家計簿
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「実は息子が独立したら、離婚しようかなと秘かに計画しているんです。だから、収入につながりそうなウェブデザイン講座とかをがんばっていたんですけど……。今思えば、夫の給料を自己投資として使うことは、ちょっとした復讐心もあったのかも。食費も、一人で子育てをがんばっている自分への“ご褒美費”になっていたのかもしれません」(マイさん)

状況を話しているうちに、マイさんは自分の行動を客観視できてきたのか、どこに、なぜ浪費しているのか、赤字の原因が見えてきたようです。

では、何の費用がどれくらいに膨れ上がっていて、どれだけ削ればいいのか。判断材料のためにも、家計簿をつけてもらうことに。「自分はどうしたら記録が継続できるか」を本人に考えてもらいながら、方向性を以下のように定めました。大きな目標は、「レシートを溜めない」ことです。